右膝の痛みと背中の痛み

体格の良い50代男性が、右膝と背中の痛みを訴えて来院されました。右膝の痛みは今年の1月頃から始まったそうで、病院では溜まった水を抜いて、電気治療をされていたそうです。
この痛みは、膝を伸ばしきったり、捻ったりすると悪化するとのことでした。半月板や靱帯に関わる問題があるかどうか、整形外科的検査で確認しましたが、特に問題はないようでした。
背中の痛みは5~6年程前から抱えておられるようで、鍼治療をされていたそうです。触診してみると、硬く大きく盛りあがった筋肉で、肩甲骨の形すらわかりにくい状態でした。
 私   「このお辛い2つの症状が、同じ原因だとしたらびっくりされますよね。」
患者さま 「えっ?膝と背中がですか?」
確かに既存の医療の考え方では、膝と背中の痛みの原因が同じだといっても「何をいっているんだ!」と、笑い飛ばされてしまうでしょう。
当院でおこなうTyTron C-3000コンピュータ・サーモグラフィの検査では、自律神経のひとつである交感神経の優位性を示していました。
交感神経が働くと、血流は悪くなりますし、全身の筋肉は硬く緊張状態になってしまいます。これが、背中の筋肉のコリを作り、痛みとなってあらわれてしまったと考えられます。
膝については、太腿の前側の筋肉の働きがが弱くなって、太腿の後ろ側の筋肉が硬くなってしまったと考えられます。
その結果、膝のお皿は動きにくくなり、膝の中で刺激されたために水が溜まったというわけです。膝に水が溜まるのは原因ではなく、結果ということです。
こういったメカニズムで痛みが引きおこされていたのですが、交感神経の優位性によるものが、この患者さまの辛い症状の原因だということです。
「背骨がズレている」や「骨盤が歪んでいる」は原因ではなく、「神経のはたらき」がトラブルを起こした「結果」であるということです。
この患者さまにアクティベータ・メソッドカイロプラクティック・ケアをおこないましたら、背中の緊張はなくなり、指でつまむことができるぐらいになりました。
アクティベータ・メソッドの検査では、膝に関して陽性反応が見られなかったので、特にケアをおこなうことはしませんでした。
  私  「では、ベッドから降りてみてください。膝はいかがでしょうか?」
患者さま 「痛みが軽くなってますね。背中も軽いです。」
先程とは打って変わったように表情は明るく、血色の良い顔色になられて、その効果に驚かれてらっしゃいました。