統合医療

アメリカ合衆国の健康医学研究者、医学博士であるアンドルー・ワイル先生は、伝統中国医学など代替医療(西洋医学以外の療法)を取り入れることを提唱しています。
この「西洋医学による医療」と「代替医療」をあわせて患者さまを治療することを「統合医療(Integrative Medicine)」と呼びます。
統合医療は「人間に本来備わっている自然治癒力を引き出すこと」を目的としたヘルスケア・システムです。この「統合医療」の一つにカイロプラクティックが取り入れられています。
アンドルー・ワイル先生のHPには、カイロプラクティックという言葉よりも、「アクティベータ・メソッド」として取り上げられています。
日本においては、明治維新の以前では、西洋医学に類しない、漢方医学や鍼灸治療などを基にした東洋医学による伝統医療が行われていました。
その後、急速に西洋医学が導入されていって、日本の伝統医療は衰退してしまいました。しかし、昭和以降、伝統医療の復旧を望む動きが起こって、「漢方」や「鍼灸治療」は続けられています。
統合医療は、「病気の超早期発見」や「予防」「根治」「健康維持・増進」などを目指して、医療費を削減する効果が期待されています。
日本では、西洋医学による医療は健康保険でまかなわれますが、「代替医療」の大部分(カイロプラクティックも含めて)は健康保険が適用されないというのが現実です。
「統合医療」は西洋医学と「代替医療」の併用で診療をおこなうので、保険診療と自由診療(保険外診療)を併用する混合診療となってしまいます。
現在、混合診療は禁止されていますから、自由診療が少しでも含まれる診療は全額が非保険扱いになるという問題があります。
海外では効果が無いとされている治療をいつまでも続けていたりする一方で、WHOによって承認されているカイロプラクティックが導入されないなど、厚生労働省の対応は遅いことは残念です。