左股関節周りの痛み

いきなり夏がやってきましたが、身体の具合はいかがでしょうか?身体が適応することにヘソを曲げそうなくらい、温度や気圧が変化しています。今日は、温度変化に適応できなかった症例をご報告させていただきます。

40代女性が、左の股関節周辺の痛みを訴えて来院されました。2日前、イスから立ち上がったときに激痛が起こって、側にいた娘さんに助けを求めるほどの痛みだったそうです。

腰が痛いのか?お尻が痛いのか?鼠経部が痛いのか?どこに痛みがあるのかがわからず、娘さんの力を借りて、何とかイスに腰掛けたとのこと。

ベッドに仰向けに寝ていただいて、左の股関節を内からと、そして外からと大きく回してみると、ある角度で痛みを伴って動きが制限されてしまいます。

これは、股関節自体にトラブルが起きているのではなく、股関節の動きに関わる筋肉の問題、ひいてはそれらの筋肉をコントロールしている「神経のはたらき」にトラブルを起こしていることを示しています。

次に、お腹側に着いている腰の筋肉(腸腰筋)で筋力検査をすると、痛みのある左側は全く力が入りません。これは痛みがあって力が入らないのではなく、この筋肉を「神経のはたらき」がコントロールできなくなっているためです。

アクティベータ・メソッドのプロトコルに則って治療を進めて、最後にお腹側に着いている腰の筋肉の治療をおこないました。股関節を大きく回しても痛みはなく、治療前におこなった筋力検査も正常になっていました。

お腹側に着いている腰の筋肉(腸腰筋)がトラブルを起こすと、鼠経部やお尻に痛みがあらわれることがあります。患者さまの「どこに痛みがあるのかがわからない。」と、いう言葉がキーワードになって方針を決めました。

一つの治療技術だけでなく、これまで学習してきたアプライド・キネシオロジーの歩行と姿勢分析などがあって、良い結果を得られることになりました。