左手首の痛み

50代男性が、左手首の痛みを訴えて来院されました。この痛みは2ヶ月前にゴルフのプレイ中に始まったとのこと。病院で診察を受けると、「骨には異常はありません。使いすぎでしょう。」と、安静にすることをアドバイスされ、湿布薬と鎮痛剤を処方されました。

しかし、一向に痛みが回復する兆しはなく、「痛みのために大好きなゴルフができない。」と、イライラが募るばかりだという。

痛む箇所を触診してみると、腫れも皮膚の赤みもありません。「どういう動きで痛みが出ますか?」という問いに、「ゴルフクラブを握ったときです。」とのこと。

握手をして左右に捻ってみると、内側に捻ったときに痛みが増悪し、捻る力が入らなくなってしまいます。さらに詳しく検査してみると、肘の内側から手首にかけての筋肉がカチカチにになっています。

深く触診すると、筋肉の奥に硬くなったものがありました。それを押すと、患者さまが飛び上がるほどの痛みがありました。これを専門的には、円回内筋のトリガーポイントといいます。

トリガーポイントとは、筋肉内にピーンと張ったロープ状になった繊維があって、その部分を強く圧迫すると典型的な痛みのパターン(関連痛)が見られます。また、そこを押すことで、痛みの症状を再現することが可能です。

今回のケースでは、痛みのパターンとして手首に症状があらわれます。

では、なぜトリガーポイントができてしまうのか?それは、繰り返しおこなう動作や、過度に収縮や伸張させる事、その他ケガなどによる微小な損傷が元になります。

その他、ずっと同じ姿勢を維持することでも、特定の筋肉を収縮させることとなり、部分的な酸欠状態となってトリガーポイントが形成されます。ここに精神的なストレスや葛藤が加わると、状態は悪化、そして慢性化することも少なくありません。

このようなケースに当院がお手伝いできることは、アクティベータ・メソッドによる通常のカイロプラクティック・ケアに加えて、アクティベータ器を使ってロープ状の繊維を取り去ることです。瞬間的に解消されますので、大きな痛みを感じることも少ないです。

患者さまも数回の通院で痛みは解消されて、ゴルフを楽しみながら仕事にも励んでらっしゃいます。