痛風

今年の夏は節電を強いられましたから、「エアコンを使わないで、冷たい食べ物や飲み物をよく摂った。」という方も少なくないでしょう。今日はビールを一際たくさん飲まれた方の症例です。

60代男性が右足首と足の親指の付け根の痛みを訴えて来院されました。病院での診察結果は痛風ということで、痛み止めの湿布薬と尿酸値を下げる薬が処方されたとのこと。

痛風とは尿酸の代謝異常で、産生過剰もしくは排泄の低下によって尿酸が体内に蓄積した結果、高尿酸血症となって発症する病気です。その症状は急性関節炎発作や痛風結節などで、「風が吹いても痛い。」と言うことからこの名前がついたそうです。

急性関節炎発作は活動的な中年男性によくみられます。また、通風は尿路結石、腎障害、腎内尿酸結節(痛風腎)を生じることもあります。飲酒、高プリン食、過冷、過労、外傷、手術、火傷、ストレスなどが引き金となって発症します。

まず、当院では遠赤外線方式のコンピュータ・サーモグラフィ TyTron C-3000を用いて、神経のはたらきを検査します。その結果、腰そして腰と背中のつなぎ目付近に大きな反応を示していました。

そして、アクティベータ・メソッドのベーシック・ケアにおいても同様の検査結果で、特に腰と背中のつなぎ目に大きな反応が見られましたので、神経反射が正常になるように着実に調整を施しました。

治療の締めくくりとして、心身条件反射療法のハード面からのアプローチとして、親指の痛みを意識していただきながら中国医学の経絡による検査をおこないました。

腎経に反応しましたので、2つの経穴を刺激しながら調整をおこないました。すべてのケアを終えて、ベッドから降りていただくと、体重をかけても足首と親指の痛みはなく、スムーズに歩くことができました。

カイロプラクティックというと、肩こり、腰痛、膝痛などの筋骨格系のトラブルにだけ有効なものと考えられていますが、それはカイロプラクティックの大きな恩恵の一部分に過ぎません。

カイロプラクティックでは身体の不調の原因に注目し、その原因となる「神経のはたらき」を正常に働かせることを目的にしていますから、内科的な疾患があるからといってカイロプラクティックが受けられないわけではありません。

むしろ、内科的なトラブルがあるのであれば、「神経のはたらき」を調整することが必要ではないでしょうか?現代医学にしかできないこともありますが、カイロプラクティックにしかできないこともあります。

2つの医学が力を合わせると、1+1=2ではなく、3にも4にも否、もっと大きな恩恵を得ることもあるでしょう。それが世界に広まってきている統合医療という考え方です。