主人公

夕べに雨が降ったようで、今朝の大阪柏原市は久しぶりにしっとりとした空気で、とても気持ちの良い朝でした。山沿いのお住まいの患者さまは、「朝はうっすらと雪が積もってたよ。」とのこと。山に囲まれた柏原市らしいですね。

さて今日は、「ふっと心がかるくなる 禅の言葉」より、「主人公」をご紹介させていただきます。

主人公(しゅじんこう)

本来の自分を目覚めさせよう

「主人公」も禅語のひとつ。ドラマで主役が演じる人物ではないんですね。主人公とは本心本性の自己、「真実のあなた」のこと。俗世のホコリにまみれたいまのフツーのあなたは、主人公ではありません。

昔、瑞巌寺の師彦(しげん)和尚は、毎日自分で自分に、「おーい主人公、師彦和尚よ!」と呼びかけ、自分で「はい!」と返事をして、「しっかり目を覚まして本来の面目を保っているか?人をだましたりだまされないよう、真実のおのれの状態ででいるか?」「はいはい!」と自問自答していたそうです。

禅でいう主人公とは、「本来の面目」、つまり仏性を具(そな)えた本来の自己、真実の自己ということです。純粋な自分と言いかえてもいいでしょう。

周りの目を気にしたり、無理な背伸びをしたり、いやいやながら人をあざむいたり、快楽ばかり追いかけたり・・・。もし、そんな自分を感じることことがあったら、ほっぺたをひっぱたいても、「おーい」と、主人公を呼び出しましょう。

純粋で、自由で迷いがなく、人を愛し、愛されたいはずの、本来の自分を目覚めさせましょう。自分の中の主人公を忘れずに生きましょう。

先日、友人が「自分を愛せない人は、他人を愛することはできないよ。」と、教えてくれました。「どうやって自分を愛するの?」と、尋ねると、「鏡の中の自分に向かって、愛してるよと、涙が出るまで話しかけてみて。」と。

この「主人公」のように、本当の自分に向き合うことで、これから自分がどうしたいのかに気付くことができると、その先が楽しみなってきますね。気付かせてくれた友、本当にありがとう。