放てば手にみてり
温度があまり上がらない寒い梅雨でしたが、昨夜の豪雨と雷の後から急に蒸し暑くなりました。こんな時は、どことなく身体が怠くなってしまいます。ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かって、身体のスウィッチを上手に切り替えましょう。
さて、今日は久しぶりに、「ふっと心がかるくなる 禅の言葉」よりご紹介させていただきます。
放てば手にみてり
曹洞宗の開祖 道元禅師のことばで、「座禅の修行をすることで、思いを手放し執着を捨て、心を空にすれば、真理と一体となったゆたかな境地が手に入る」と説かれました。
人は生きている間中、あれも欲しいこれも欲しい、ああしたいこうしたい、という思いにとらわれています。もちろん、欲をかくばかりでなく、「自分はどう生きればいいのか」と、真剣に考え抜く人もいるでしょう。
生き方をあれこれ真面目に考えることも雑念であり妄執(物事に深く執着すること)であるから、これを座禅に打ち込んで手放しなさいと、道元禅師はおっしゃるのです。
手から放たれたときに、自然に手に満ちてくる。何かをつかんだままの手には、別のものを渡しようがありません。まず、それを手放してみましょう。放してみたら、「なんだ、こんなつまらないものをつかんでいたのか」と、笑ってしまうかも。
先週末の心身条件反射療法 研究会でのワークショップで、自分の凝り固まったとらえ方が、辛い症状と結びついていたという症例がありました。そのとらえ方を違った角度にするだけで、辛い症状はその場で解消されました。
手放すのは、何も物質的なものだけではないということですね。